「AI任せにしているんですが、なかなか成果が出なくて…」
最近、中小企業のウェブ担当の方と話していると、こんな声をよく聞きます。
ChatGPT で記事を書かせたり、画像生成AIでバナーを作ったり。「とりあえず使ってはいる」。でも、売上や問い合わせに結びついている実感が持てない——。
原因はシンプルで、「AIのレベル」よりも「指示のレベル」の問題であることがほとんどです。
AIは“魔法のマーケター”ではなく、“超優秀だけど事情を知らないアルバイト”だと思ってください。大事なのは、AIに仕事を丸投げすることではなく、「ディレクション(指示・設計)」の精度を上げることです。
なぜ「AI任せ」では成果が出ないのか
よくあるパターンはこのあたりです。
- 「うちの商品の紹介文を書いて」とだけ伝えて終わり
- 「かわいいバナー作って」とAI画像にお願いして終わり
- 出てきたものを、ほぼそのままサイトやSNSに掲載して終わり
これだと、
- 誰に向けた文章なのか
- どんな行動をしてほしいのか(問い合わせ?来店?資料請求?)
- 自社らしさ・強みが何なのか
といった“マーケティングの設計”が抜け落ちたまま、AIが「それっぽい一般論」を返しているだけになりがちです。
AIは「前提条件」と「ゴール」をきちんと伝えられたときに、本領を発揮します。
つまり、AIに任せる量を増やす前に、“AIに渡す情報の質”を上げる必要があるということです。
中小企業のWeb担当が持つべき視点は「AIディレクター」
AIディレクションとは、「AIにやらせる仕事を設計し、必要な材料をそろえ、期待するアウトプットを具体的に指定すること」です。
ポイントは大きく3つです。
- ゴールをはっきり言語化する
- 例:「資料請求フォームへの誘導文を書いてほしい」
- 「サービス紹介」ではなく、「資料請求してもらうための紹介」。
- ターゲット像と状況を具体的に伝える
- 例:「地方で家づくりを検討している30代夫婦。共働き、小学生の子どもが1人。建売と注文住宅で迷っている。」
- 出力の形式とトーンを指定する
- 例:「見出し+本文で800文字程度。専門用語は減らして、やわらかい説明。最後に行動を促す一文で終わる。」
この3つをセットで伝えるだけで、AIのアウトプットはかなり“仕事になるレベル”に近づきます。
ChatGPTへの指示例:悪い例 vs 良い例
悪い例
「リフォーム会社の紹介文を書いてください。」
これは、AIからすると情報がほぼゼロです。
場所も強みも、誰向けなのかも分からないので、「どこにでもありそうな紹介文」しか出てきません。
良い例
「島根県で住宅リフォームを行っている会社の紹介文を書いてください。
ターゲットは、築20年以上の戸建てに住んでいる40〜60代のご夫婦。
強みは、
・小さな修繕から外壁塗装、大規模リフォームまで同じ担当者が一貫して対応すること
・地元工務店ならではの、冬の寒さ対策や結露対策の提案が得意なこと
目的は、お問い合わせフォームからの相談件数を増やすことです。
800文字程度で、『相談してみようかな』と思える、やさしい文章にしてください。
最後に、『まずは無料相談からどうぞ』といった行動を促す一文を入れてください。」
ここまで書くと、AIは「誰に」「何を伝え」「どんな行動をしてもらうか」を理解しやすくなります。
あとは出てきた文章を、人間側でチェック・修正すれば、実務で使えるレベルになります。
画像生成AIにも「ディレクション」が必要
画像生成AIも同じです。
「かわいいバナー」「オシャレなヘッダー」だけでは、狙ったイメージにはなかなか届きません。
指示するときは、少なくとも以下を伝えたいところです。
- 何のための画像か(例:完成見学会の告知バナー)
- 誰向けか(例:子育て世代の夫婦)
- どんな印象にしたいか(例:安心感・あたたかさ・押し売り感ナシ)
- 使う場面(サイトのヒーロー画像/Instagram投稿用/チラシ用 など)
- 自社のブランド要素(コーポレートカラー、フォントの雰囲気 など)
たとえば、
「子育て世代向けの平屋の完成見学会を告知するウェブサイト用メインビジュアル。
明るい昼間の住宅街で、シンプルな平屋の外観。
雰囲気はやわらかく、押しつけがましくない。
全体の色味は、白と淡いベージュをベースに、差し色で深いグリーン。
文字はあとからこちらで載せるので、余白は多めに。」
といった指示があるだけで、「あとはサイズと細部を調整すれば使える」画像が出やすくなります。
AIを“相棒”にするための、Web担当者の役割
AIディレクションを身につけると、Web担当者の仕事はこう変わります。
- 企画・構成 → 人間が考える
- 文章のたたき台・案出し → AIにやらせる
- 実際の表現調整・チェック → 人間が仕上げる
- 反応の計測・改善案の検討 → 人間とAIで一緒に考える
大事なのは、「全部AIにやらせる」のではなく、「AIにどこまでやらせるかを決める」ことです。
現場の事情、顧客のリアルな声、自社の判断基準——これはまだ、人間にしか分かりません。
まとめ:困ったら「ひとつ」にお任せください
人手も予算も限られている中小企業こそ、AIをうまく使えるかどうかで、Web活用の成果が変わってきます。
- 丸投げではなく、ゴールとターゲットを明確にする
- 必要な情報をAIにきちんと渡す
- 出てきたアウトプットを、自社目線でチェック・修正する
この流れを身につければ、Web担当者一人でも、
「企画を考える人」「ライター」「デザイナー」「アシスタント」がいる“小さなチーム”のように動けるようになります。
もし「うちの場合はどうAIを使えばいいの?」「社内にノウハウがなくて進まない」と感じたら——
困ったら、ひとつにお任せください。
御社の現場に合わせたAIとWebの活かし方を、一緒に設計していきます。